冷徹社長は溺あま旦那様!? ママになっても丸ごと愛されています
「俺、本気だよ」

「じゃあ養育費だけちょうだいよ。私のパトロンにでもなったつもりで、優雅な住まいと生活を提供してちょうだい。それが一番うれしい」

「いやだ」


きっぱりと了は言った。

私は思わず彼のほうに視線を戻し、そこにあった、決意に満ちた表情に怯んだ。


「俺、金を出すためにお前を探したんじゃないよ」


やめてよ。

了のまっすぐな心と言葉は、今でもこんなに私を揺さぶる。


「この子の父親になるために、来たんだ」


あの頃と同じように。





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