私のニセ王子様


「…………さん……………山本さん?」





がたっ!


やばいここどこ?
………教室か、




「山本さん放課後だけど、帰らないの?」


「えっ?」


そこに居たのは、今朝チラッと見た、隣の席の男子だった。

時計を見てみると、もう5時半を回っていた。




「…………………山本さん……意外とそういう本読むんだね?」

その男子がびっくりした顔をしている。




どうして……?……ん?……………本??







………………


私の手の中には、キス☆プリがあった。




やばっ!初日からバレた!?


(そう言えば、誰もいないと思って教室で読んでたんだっけ……)

(それで、いつの間にか寝ちゃってたんだ……)



急いで荷物を抱えて帰る準備をする。




「あっ!」

教室のドア付近にいた男子の耳に近づきつぶやく。





「…………誰にも言わないでね?」
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