その花が永遠に咲き続けますように
エレベーターがなかなか来そうにないから、階段で五階まで全力で駆け上がる。


ーー永君の為に最高の思い出を作りたいって、その目標を叶える為に皆でバンドをやっている。

でも、永君の為に何が出来るか、何が最高なのか、具体的にはわからなくて。


だけど永君が


『最後にそんな凄いステージで弾いてみたいとは思うよ』


永君がそう言ったから……。だから……



だから……!




5A studioの前まで戻ってきた私は、そのドアを勢いよく開ける。



中にいたrowdyのメンバーとキリシマさんが驚いた顔で私に振り向く。


私は肩で息をしながら、たった一人平然とした顔で私を見ているレイに顔を向ける。

まるで、私がここへ来るってわかっていたかのような余裕な顔。


だけどここへ来たのはあくまで私の意思だ。



乱れる呼吸を繰り返しながら、私は彼に言った。


「お願いします。前座の件、やらせてください!」


レイが余裕たっぷりに笑ってみせる。

そして、


「ああ。もっと練習してもらわないと困るけどな」


と不敵に笑いながら答える。


……が。



「ダーーメだって言ってんでしょ! 何勝手に決めてんのよ‼︎」


キリシマさんの大声が部屋中に響く。流石のキリシマさんもお怒りの様子だ。
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