その花が永遠に咲き続けますように
隣に並ぶ白山さんに突然そう言われ、「え?」と聞き返す。


「友達だと思ってた人、ということは、その人が相澤さんのこといじめてたんでしょ? そんな奴のこと考えるだけ時間の無駄よ」


そんなことより何味のアイス食べるかだけ考えてなさい、と白山さんに言われる。

そうだよね。今更思い出すなんて馬鹿な話だ。私は今、毎日がとても充実していて楽しいんだから。



十五分程並んだ後、私と白山さんは無事にアイスを買えた。
白山さんはチョコミント味、私は苺味。


列を抜けた後、白山さんはハンカチをどこかに落としたかもと言った。

一緒に探すと言ったけれど、多分レジ前だと思うとのことで、白山さんはそちらへ戻り、私はその場で待つことにした。


ハンカチ、見つかるといいな。

そんなことを考えていたその時だった。



「咲?」

聞き覚えのある声に背後から名前を呼ばれ、まさかと思いながらゆっくりと振り返る。するとそこにいたのは、


「やっぱり咲だ〜! 久し振り〜!」


アイスを片手に、もう片方の手を私に向かって振る、日奈だった。


心臓が、バクバクと激しく脈打つ。変な汗も大量に出てくる。

何で。何で日奈と再会なんてしてしまうの。


私はこんなにも動揺しているのに、日奈は笑顔で私に駆け寄る。日奈の隣には知らない女の子もいて、その子も一緒に私の元へやって来た。


「咲、一人?」

普通にそんな風に聞いてくる日奈は、中学の時より少しだけ見た目が変わっていた。髪は金髪に近く、ピアスもたくさんついている。メイクも少し濃くなっているけれど、ケバい訳ではなく、寧ろ中学生の時より更に可愛くなっている。
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