不器用なキミ~向日葵の恋~
「ただいま」

「おかえり」

「……」

「渚!海里さんとちゃんと話をして」

「……え……」

「それまで仕事しなくて良い」

「……えっ」

「海里さんお願いします」

「はい……ありがとうございました」

「……」

僕は美月ちゃんに頭を下げ、渚の腕を掴んで連れて出た。

ただ後ろから黙って着いてくる彼女を、車に乗せ自分のマンションに向かったんだ。

彼女をソファに座らせてコーヒーを入れて、テーブルに置いても彼女は下を向いたまま黙っていた。

「渚?」

「……」

「何を考えてる?」

「……」

ビクッと肩を震わせたまま微動だにしない彼女を見てると、なんだか苦しくなってくる。

僕を見て自分の言葉でちゃんと伝えてた彼女はどこに行ってしまったのか。

そして美月ちゃんが言ってた、渚にとって何が“怖い”のか。

きっと全て僕がそうさせてしまったんだろう。

僕は今から自分の愚かさに向き合わなきゃならない。
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