その恋に落ちるのは、彼の罠に掛かるということ
カーテンの隙間から溢れる朝日が眩しくて目を覚ました。
あれ? 私いつの間に眠ってしまったんだっけーーと考えつつベッドから上半身を起こすけれど、全身が重く、疲れている。
しかも身体には何も纏ってはいなくて、昨夜課長と両想いになった〝その後〟のことが、寝惚けた頭の中に鮮明に蘇ってきて、パチッと目が冴える。
何回も何回も熱く激しく求められーーいや、違うかも。最後の方は私からお願いしていた様な気がしなくもない……ああ、恥ずかしい。
隣に視線をずらすと、子供の様なあどけない寝顔ですやすやと眠る課長の姿。
こうして見ていると、エリートで自信家でちょっとSな普段の課長は想像出来ない。
「しかもちょっとエッチだし……」
昨夜のことを思い返しながらそんなことを呟く。
最後の方は私から、とは言え、彼も彼でかなりエッチな身体の重ね方だった。
すると。
「〝ちょっと〟?」
寝ていたはずの課長の口からそんな声が聞こえてきたのとほぼ同時に、布団の中から腕を引っ張られ、上半身を起こしていた私は再び布団の中へずりずりと引きずり込まれる。
「わわっ」
そして、くっついた身体をギュッと強く抱き締められ、完全に密着する。
「か、課長」
「は? 昨夜ヤッてる時は名前で呼んでくれてただろ。何で課長呼びに戻ってんだ」
……そうだった。
まあ、〝呼ばされていた〟という表現の方が正しい気がするけれど……。だって、『名前で呼ばなきゃ続きはしない』とか言って、おあずけしようとするし……!
「……柊一」
私が名前を呼ぶと、彼は満足そうに笑いながら私を抱き締める腕に更に力を込めた。