惑溺オフィス~次期社長の独占欲が止まりません~
目印になる高速の青看板を探して目を泳がせている私に陽介さんが微笑む。
「ここはどこですか?」
「仕事に関する場所に向かっているって言ったらわかるかな」
陽介さんがヒントを出した直後に窓の外に見えた看板が、私にもうひとつの大きなヒントをくれた。
「アルカディアリゾートですか?」
「正解」
“碓井軽井沢インターチェンジまであと一キロ”という看板だったのだ。
「デートと言っておいてごめん。ちょっと現場を見たくなってね」
「それでしたら、私も嬉しいです。現場を見たいと思っていました」
工事を請け負っている建設会社から定期的に報告として現場の写真はあがってくるけれど、実際に見るのとではまた別。都内ならひとりでもなんとかなる見学も、軽井沢ではそうもいかない。
「そう? ならよかったよ」
陽介さんは満足気に口元を綻ばせた。