しふぉん・けーき
目が覚めると、天井には大きなシャンデリアが―――

ここは、どこだろう・・・?

というか、なぜここに・・・?

確か・・・事務所でファイルの整理をしていて、急にドアをたたく音がしたからドアを開けたら・・・

いきなりハンカチで押さえられて・・・

気がついたら、私はここに・・・?

と記憶を辿っていく。

ということは・・・私・・・攫われちゃった・・・?

すると、ノックなしにいきなりドアが開き一人の男の子が入ってきた。

「やあ・・・。早見真様。
お久しぶりですね・・・」

早見真・・・?

私は真君じゃないよ・・・?

「覚えていますか?
あなたの補佐官だった野村宏(のむら ひろし)ですよ」

と、私の目の前に現れる。

歳はおそらく私とほぼ変わらない高校生のようだ。

背が高く色白で、目が吊り上がった感じの男の子。

多分歌舞伎俳優に居そうな感じ・・・

そして、私と彼の目がパチッと合い―――

「お前は・・・誰だ?」

私はただ、冷や汗をかくしかなかった。
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