拾い恋(もの)は、偶然か?




[うっそ。そんなわけなくない?付き合いの長い松田部長もびっくりしてたよ!あのなに考えてるか分からない笑顔鬼畜野郎がデレデレ世話焼き野郎になってるって。]



だから、何もなかったという癖に、結構何かあってるじゃんとツッコミたくなるようなメッセージが返ってきたとしても、私には説明するだけの材料がないというわけだ。



[本当に、何もありません。誰にでもそうなんじゃないですか?部長、モテるし。]



結局こうして、自分が特別なわけじゃないとひねくれた考えになるのも仕方のないことだ。告白されたとはいえ、部長と私は知り合いでもない。



[えー、そっかなぁ。でもまぁ昨日はお酒も入ってたしねー。]



だから先輩も、気のせいで済ませてくれるのだ。


それ以上先輩にメッセージを返す気力はなかった。記憶がない以上、司馬部長の謎のメッセージにどう返すべきかも分からず。だけど本当に約束していたとしたらすっぽかすことになってしまう。



だからとりあえず。


[すみません、何か約束しましたでしょうか?]



失礼を承知でそう送ってみた。






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