拾い恋(もの)は、偶然か?
「古蝶さん、なんか、秘書室の人が急げって言ってるんだけど。」
「は?」
「え。」
「いや、すみません。ありがとうございますー。」
「あ、うん。じゃ。」
通りすがりの同僚よ。申し訳ねえ。今うっかり素が出ていたよ。
『音聞いてる?遊ぼうぜー。』
電話口から聞こえる鬱陶しい声をBGMに、松崎さんじゃない秘書さんからの睨みを受け取る。そして私のパソコンに今。
[今日会食になったけど、音の料理が食べたい。]
相変わらず、社内メールでこんなことを送ってくる我が社の部長。
業務時間に社長は息子の彼女いじめ、業務時間に弟は業務妨害電話、そして業務時間中に兄は私用で社内メールを活用。
「ほんとマジで、大丈夫かうちの会社。」
『え?なんて?』
もはやため息しか出ませんよ。
「申し訳ございません。仕事があるんで。今度かけてきたら松崎さんにあることないこと吹き込むから。」
『なっ、それはだめだろ!』
とりあえず一番どうでもいい衛は電話を切るとして、社長は逃げられない、と。
[了解です。さっぱりしたものを作って待ってます!早く帰ってきてね。]
翔吾さんには素早く返信して、さて行こうじゃないの、ラスボスの元へ。