君と、世界が変わる瞬間に。

きっと私は彼の世界に憧れていた











「おはよう、夕凪君」


彼についてわかったこと。…それは彼は朝が早いってこと。誰よりも早く来て、屋上に来ているということ。

理由は、もちろん…「写真を撮るためや!」らしい。

私は電車通学で、教室に半分くらいの生徒が来たくらいに私もつく。

けれど、最近は…1本早い電車に乗って屋上に来ていた。


「おはよぉさんっ」


彼は私が毎朝ここに来ても何も言わず笑顔で挨拶してくれた。




「あれ?…夕凪君、なんで傘?」


こんなに晴れているのに、傘を持っているのはあまりにも不自然。


「今日雨降るんよ」


「え?天気予報じゃ晴れって…」


夕凪君は何も言わずに天をさした。…天、と言うには語弊があったかもしれない。斜め上、とでも言っておこう。


「虹…?」


よく見ないとわからないくらいの薄い虹。


「雨降ってないのに虹?…それよりも、なんで虹で雨がふるってわかるの?」


「朝の虹は太陽がある東からの光によって、西にできるって言われてるんや。虹が見えるのは、雨が降ったからって思われがちやけど、正確に言えば湿度が高いから見えるんよ」


「へぇ…」


知らなかった。虹は雨が降ったらできるって言うのは、虹ができる理由にはならないんだなぁ…。


「ま、傘もってきてたんのは、虹だけやないけどな」


「え?まだなにかあるの?」


「つばめが低く飛んどったからやな」


つばめ?つばめが低く飛ぶことに、雨が降るのとなにか関係があるの?


< 12 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop