君と、世界が変わる瞬間に。

やっぱり私は彼とは違う












朝起きたらもうお母さんは居なかった。当然、お父さんもいない。いつもみたいに朝ご飯とお弁当を作って食べて、支度してから家を出た。


「行ってきます」


意味の無い言葉が家に響き消える。…私はいつもより早く歩いて駅に向かった。そしていつもより1本早い電車に乗ってから学校に着く。


ーガチャー


「お!今日は早いなぁー!おはよう」


「…ぇ」


「なんやそんな驚いた顔してっ。どないしたん?」


夕凪君がこんなに早く来ていたことにびっくりしたのはもちろんだけど、何よりも「おはよう」と声をかけてくれたことに驚いた。

いや、いつも「おはよう」と声をかけあうけれど…今日はなんだかすごく心に染み込んだ。



「なんでもないよ。おはよう」


「ふ〜ん?…まぁええわ。…そんなことよりほら!」



ほら、と渡させたのは1枚の写真。


「現像してきたでっ」


「え…これこの前私が撮ったやつ…」


「ええ写真や」


綺麗だった。私の腕が良かったとかそういうことじゃない。…ただ純粋に、この景色が綺麗だった。


「すごい…」


「やろ?それあげるわ」


「いくらだった?」


「記念や記念。…お金はいらん」


記念か…。

私は夕凪君に「ありがとう」と伝えてから、無くさないように生徒手帳にはさんだ。






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