副社長は今日も庇護欲全開です
業務なら調整できるから、希望されたとおりに行こう。よほどのことがない限り、こちらの都合を優先できない。

それにしても、結構急なんだな……。どんな話をするのか、かなり緊張する。

島の皆に、二時から離席することを伝えると、真美香が過剰なほどに反応した。

「次は、私が選ばれるように、今からコンペの案を練るわ」

なんて言っていたけれど、どこまで本気なんだか。コンペの改善案は、経営的な多少踏み込んだ内容が社長行きになる。

だから、出す人もかなり役職が上の人。それに比べて副社長行きの案は、現場本位の身近な改善案になる。

だから、私たちのような一般社員も出しやすい。まさか、副社長目当てにコンペを出す人がいるのかな……。

金曜日に偶然の出会いがあったからか、今まで以上に副社長のことを意識してしまっている。

とにかく、最初はもう一度お礼を言おう。かなり、緊張するけれど……。
< 14 / 123 >

この作品をシェア

pagetop