副社長は今日も庇護欲全開です
副社長が連れていってくれたお店は、私のマンションから車で四十分ほど走った場所にあった。

海岸沿いの白いコテージ風のお店で、シーフードがメインのイタリアン。

「ここ、来たことがないんですよ。とても人気があるお店なんですよね?」

車を降りた私は、階段上にある建物を見上げる。澄み渡った青空に、白い外観が映えていて綺麗……。

「本当か? それなら、期待して大丈夫だ。きっと、楽しんでもらえると思うから」

「はい……」

副社長の力強い言葉を頼もしく感じて、笑みを浮かべた私は、彼の後を歩いた。

このお店は、雑誌やテレビ、それにSNSで耳にしたことはある。

とても開放感があり、陽気で楽しい雰囲気だと……。期待を込めて副社長と一緒にお店へ入ると、さっそく音楽が聞こえてきた。

イタリアの音楽らしい、体を動かしたくなるような軽快なものだ。

でも騒々しい感じはなく、店内のお客さんたちは、皆楽しそうに談笑している。

テーブル席は、どこからでも海が目の前に広がって見え、評判どおり開放感に溢れていた。

「かしこまった雰囲気じゃないから、きみの緊張もほぐれるだろう?」

副社長はそう言うと、奥のテーブル席へ私を促した。
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