副社長は今日も庇護欲全開です
「見た目は、似てると思う。だけど、性格はだいぶ違うな」

「そうなんですか?」

「ああ。二番目が、一番さっぱりした性格で、三番目が一番マイペース。小さいときは、二人の面倒をよく見ていたよ」

そっか……。お父さんが会社の社長で、たしかお母さんも仕事をされていると聞いたことがある。

忙しいご両親に代わって、副社長が二人の弟さんの面倒を見ていたんだ……。

「だから副社長には、人を包み込むようなオーラがあるんですね」

なんとなく分かった気がする。副社長といると、どこか温かい気持ちになるのは、安心感があるからだ。

きっと彼の包容力に、私もいつのまにか包まれていたのかもしれない……。

「ありがとう。だけど、そんなに大げさなものじゃない。弟たちとも、年はそんなに離れてないからね」

涼しげに話す副社長に、私は穏やかに微笑んだ。

「でも、きっと頼れるお兄さんなんだろうなって、想像できます……」

副社長は次期社長でもあり、家庭でも兄弟の精神的柱だったり、期待や責任を多く持っているに違いない。

それなのに、こんなに心に余裕があって、優しい副社長を、私がほんのひとときでも癒してあげられたらな……。
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