副社長は今日も庇護欲全開です
《陽菜、これから会えないか? 俺の都合ばかり優先して、申し訳ないんだが》

「そ、そんなことありません。直哉さんはお忙しいんですから、気になさらないでください」

彼から、誘ってもらえるとは思ってもみなくて、嬉しさで舞い上がりそうになる。

会いたいと思っていたのは、私だけじゃない……。そう思って、いいのかな。

《ありがとう。陽菜の心遣いは、本当に感謝してる。今日は、もう予定を立てているかな?》

もう一度今日の都合を聞かれ、肝心の部分に返答していなかったことに気づいた。

「いえ、ショッピングにでも行こうかなと、思っていたくらいで……」

《そうか。じゃあ、一緒に行こうか? 迎えに行く》

そう言われ、鼓動は一気に高鳴った。さっきまでの、どこか空元気とは全然違う気分。

「いいんですか⁉︎ 嬉しいです。じゃあ、私から伺います」

いつも迎えにきてもらうわけにはいかない。それに、直哉さんのマンションからのほうがモールは近い。

すると、一瞬間を置いた彼が、ゆっくりと言った。

《それなら、今夜は俺のマンションに泊まらないか? 明日は、ここから出勤すればいい》
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