泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。

涙腺が緩んで、涙が出てくる。

「めっ、潤の馬鹿。アホ。見る目ない。この男好き。チャラ男」

「え? なんで俺ディスられてんの?」

「だ、だって俺は散々母親に暴言吐かれたり暴力奮われたりして、実の父親にも十年も放ったらかしにされてたような奴なのに、それなのにお前はっ!!!」

潤は笑って、俺を抱きしめた。

「……お前がそういう奴だからだよ。泣き虫で、ガキで、いい意味でも悪い意味でも世間知らずで、超素直だから。お前がそういう奴だから、俺は好きなの。……だからさ、俺のために生きてくれよ。……自分を大切にしろなんていわないからさ、頼むから死のうとしないでくれ。……俺のために、生きてくれ」

「潤、俺の神様になって」

「神様?」

「……ああ。俺を良い方向に導いて。俺が死のうとしたら止めて。俺が何かに迷ったら、一緒にどうすればいいか考えて。……俺が死ぬ前に、死なないで」


「ああ、死なねぇよ絶対。俺も純恋も恵美も、死ぬまでお前と一緒だよ」


「うんっ!」

――とりあえず今はこいつといることが、俺の生きる理由でいい。


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