君がいて、僕がいる。
生徒会室の中には優斗くんと、一人の女の先輩しかいなかった。
「あれ、どうしたの?」
「あ、飲み物買ってきましたー」
「あぁ、すっかり忘れてた」
さっき、タイピング勝負で負けたから。
お約束の飲み物をね。
「ありがと」
「いえいえ。負けは負けだし。
ってか、生徒会室って意外とぐちゃっとしてる」
「資料が多くてねー。
夏休み明けたら体育祭じゃん?過去の競技とかを今みてんの。」
「へー、大変そう
でもここ超快適」
「はは、そうだね
なら真希ちゃんも生徒会入ればいいのに。
体育会終わったら選挙あるよ?俺は引退だけど」
「私そういうの向いてないんで、無理ですね」
しかもその頃には暑さ引いちゃってるから、余計に魅力薄くなる。
…ま、夏になればいいなって思うんだろうけど
「んじゃ、私たちいきますね
頑張ってくださーい」
渡すもんだけ渡して、さっさと生徒会室から出た。
快適なのは確かなんだけど。
うん、なんか違う。
「どっか行くの?」
「え、屋上。
戻らないの?」
「めっちゃ暑そう」
「はは、それを圭介が言うんだね。
…ま、暑いのは間違いない。かなり辛いだろうね」
「でも戻るんだ?」
「……なんかさ辛いんだけど
涼しいパソコン室とか生徒会室より
私は屋上が好きみたい」
なんでだろうね。
暑くてもあそこでどうでもいい時間を過ごしてるのが、なんか好きだ。