君がいて、僕がいる。
━━━20分後
11時には早いけど、お店の前にはすでに圭介がケータイ片手に待っていた。
「あ、おっはー」
「おはよ。早いね?」
「んー、だって女の子待たせるのはナンセンスでしょ?」
「…そ、かな」
「そうだよ。
ってか私服はじめてー。めっちゃ新鮮」
「いやそれそのまま返すから」
初めてみた圭介の私服は白のボーダーTに、ネイビーのパンツと、なんともさっぱり。
この人はいつ見ても涼しげだ。
「早いけど入る?」
「うん。立ち話もなんだし」
外は雨。さすがにここにいるのも嫌なので、早速中に入る。
時間的には早いからいつもよりは空いてるけど、やっぱり夏休みだけあって中高生が多いや。
「ってかさ」
「ん?」
「今日の夜、どうする?」
「あんま興味もないんだけど」
「えー、行こうよー
俺最後のチャンスなんだしさー」
……そんなみたいかねぇ。
ってか理事長の像って、あの玄関のところにあるやつでしょ?
外からでも見えそうなんだけど。
「ってか普通に考えて、セキュリティ作動してるでしょ」
「……それはあるかも」
「はい、なし。」
「いやでも待て!!夜も警備員はいたはず。」
「……だから?」
「だから、職員用の出入り口から入れば行けるんじゃん?見回りしてるだろうし」
「いや、見回りしてんなら銅像動かないでしょ」
「わかんないじゃん!」
いや、どんだけ見たいんよ。
そんな面白いですか?ねぇ。
「……気が向いたらね」
「決定」
「いや、おかしい」