手のひらの天秤 ~究極の選択ゲーム~

久しぶりに学校で会った丸ちゃんの笑顔をみて、私は少しだけホッとした。


「ねぇ、丸ちゃん……」


「なに? 希望ちゃん」


「丸ちゃんは志芳ちゃんのこと覚えてる?」


「えっ、誰それ? 中学の友達?」


「う、ううん、ごめん。なんでもないの……」


丸ちゃんも志芳ちゃんのことを覚えていなかった。


分かってはいたけど、やっぱりちょっと胸が痛む。
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