人魚の住む海
私は沙紀に会って欲しいとメールをした。

タケルが沙紀にどんな風に話をしたのか私は知らない。

このまま知らんぷりしていれば楽なのかもしれないけど・・・これじゃいけない。

私にとっては沙紀も大切な友達だから向き合わなくちゃ。

いつも学校帰りに寄ってたマックで待ち合わせすることにする。

約束の時間より10分早くついてしまっていた。アイスティを頼んで席に着く。

とりあえずあやまろう。許してもらえないかもしれないけど。

約束の時間ぴったりに沙紀は現れた。

いつもみたいに手を振って、笑顔を向けてくれる。

ただその笑顔にはいつもような力がなくってなんだか弱弱しかった。

「あはは、湊早かったんだね。何時頃来たの？」

「うん、10分くらい前かな」

そんなやりとり。少しぎこちなかった。
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表紙・目次

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