君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「嫌なんかじゃないよ。でも、あたしそんな所に行けるような服もないし……」



あたは、芸能界にいる女性たちのように目立つタイプでもない。
そんなパーティなんか行く機会もなかったから、そういうところに相応しい服も持っているわけがない。



「大丈夫。服なら勝手に用意してるから」


「……え?」


「ふふ。終わったら俺の家に行ってみて?」



大ちゃんがウインクをして見せる。



「え、そんな……」


「遠慮はいらないよ。俺の彼女なんだからそのくらいさせてよ」



テーブルの上のコーヒーを飲み干して、立ち上がる。



「じゃあ、そろそろ時間だから行くよ」


「あ、うん」



あたしに手を振って、カフェを出ていく。



「付き合ってからも愛莉ちゃんへのゾッコンぶりは変わらないねぇー」



カフェにアルバイトに来ている、小杉(こすぎ)くんが可笑しそうに笑う。

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