君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
そうだ、俺が愛莉に伝えられる方法はひとつだけ。
せっかくもらったチャンスを逃さない。

こんなことをしても愛莉は戻ってなんて来ないかもしれない。
でも、俺がこのままテレビに出なくなるなんて、もってのほかだ。

夢を叶えた俺をちゃんと見てもらう。

愛莉にも咲良(さきら)にも。

俺が俳優を目指すきっかけになった、咲良。
俺と幼なじみで、ひとつうえで。
俳優は本当は咲良の夢だった。

でも、咲良は幼い頃から心臓病で。
小五のときに天国に行ってしまった。
その日から、咲良の夢は俺の夢になった。

誰よりも大事だった存在の咲良の夢を俺が叶えたかった。



「忘れるとこだったぜ。ごめんな、咲良」



こんな所で立ち止まってちゃいけない。
もう愛莉には会えないかもしれない。
でも、俺の姿はテレビを通して見せることができるんだ。

きっといつか……。
もし会えたら問いただしてやる。
なぜ、いなくなったのか。

そして、見つけたらもう離さない。

< 154 / 193 >

この作品をシェア

pagetop