少年と魔女

少年32サイ










“おーい、ロキ!”



「やあ、ジル。久しぶり」



“おう、久しぶり。しっかしお前ガタイ良くなったな~”



「そりゃそうさ。丘の向こうは力仕事しかないんだ」



“元図書員なんて信じらんねえな”



「ほんと自分でも信じられないよ。それよりどうですか。結婚生活は」



“いやー脱ぎっぱなしにするなとか皿洗えとか今のところ俺の欠点が目立ってるみたいです”



「はは。お前は昔からそういうとこあるよな」



“ロキはどうなんだよ。いい人いないのかよ”



「それフレイヤにも言われた。僕はフレイヤ以外にいい人が見つからない」



“好きな人にそれ言われちゃ辛いな。てかまだ好きだったのか”



「もちろん。フレイヤが帰ってきたあの日から毎日思ってるさ。見た目は僕の方がおっさんになっちゃったよ」



“俺も最近髪の毛薄くなってきた気するんだよな…”



「はーー。なんで僕だけ年をとるんだろ」



“逆だろ。フレイヤさんだけ年をとらないんだよ。いや見た目が変わらないだけか”



「その見た目が変わらないってのが一番のポイントなんだよ。

ちょっと前まではお母さんだったのに同い年になってもう僕の方が老けてるんだぞ」



“お前も辛い恋してんなあ。…なあ、30越えて恋とかいうの恥ずかしいな”



「ほんと、片想いとか甘酸っぱすぎて言えないよ…。」



“他の子と結婚とか考えないのか?”



「ないね。僕が結婚したらフレイヤはまた一人になっちゃうし、それに、守るって決めたんだ」



“お前も充分青春してるよ…”



「はーーーーっ。僕はどうしたらいいんだろうか」



“とりあえず帰って会ってこい…”








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