秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

「別に‥‥柊ちゃんに関係ないでしょ。自分は今宵さんみたいな綺麗な婚約者さんとデートしてて、私が男の人と食事するのはいけないの」

そこまで言って、
自分で悲しくてたまらなくなった。
柊ちゃんが顔を歪めてから唇を軽く噛んで黙る。

こんなの私達らしくない。

柊ちゃんと過ごす時間はいつだって穏やかで、
こんな嫌味みたいな事、言いたくなかった。

言いたくないのに。

「‥‥ごめん」

私が泣きそうな顔をしていたからか、柊ちゃんに力無い声でそう謝られた。

「俺の中で、若菜はずっと妹みたいなモンだったから‥。ごめん、もう子供じゃないんだよな」

そう淡く微笑まれ、そうだよ、と冗談めいた声色を必死に作って返した。
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