秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。


「そ、そうなんですね」

結局いつものようにそう返すので精一杯だった。
そうなんですねって‥‥もっと他に何かあるでしょう私‥‥!

そんな事を思ってまた心の中で唸った。


「着いたよ今宵さん」
「え‥‥?」


思わず俯いていると最上さんからそう声が掛かって頭を上げた。


「わ‥‥」


綺麗、と何故か言葉に出せずに目を丸くした。
綺麗に彩られた木と建物と。

そして何より大きすぎる位に大きな
クリスマスツリー。

ツリーの頭からドレープのように広がる電飾が綺麗で思わず息をついた。
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