理系教授の秘密は甘々のはじまり
"どこにいる?"

17時きっかりに葉山からSNSアプリのメッセージが送られてきた。

波実は返信しようとスマホのキーボードを開いたが、息つく間もなく、葉山からのメッセージが送られてくる。

"どうした?返事がないが何かあったのか?"
"既読スルーは事故に巻き込まれたからか?"
"何故返事をしない?大丈夫なのか?"
"おい、返事をしろ"

返事をしようにも、こうも立て続けにメッセージを送られては返信する暇がない。

"受付の横のバゲッジカウンターのところにいます"

やっとそれだけ打ち込むと波実はほっと一息ついた。
ソファに腰かけたのも束の間、目の前に葉山が立っていた。

「待たせたか?」

葉山は相変わらずの無表情だ。

「いえ、私も今来たばかりです」

波実が立ち上がると、葉山は荷物をカウンターで受け取りタクシー乗り場に移動を始めた。

「鈴木、いくぞ」

二人を乗せたタクシーは、宿泊予定のホテルへと向かっていった。
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