七色ペンダント
そして私は屯所を抜け出した。
月が綺麗な、満月の夜だった。
無理に動かした身体は、塞がりかけた傷口は開き、血が滴り落ちていった。痛い。
それでも私は走り続けた。
どんなに大きな怪我よりも、心に負った傷の方が数倍も私を傷つけた。
泣いて泣いて泣いた。
どのくらい走ったのだろうか。身体と体力の限界で立ち止まったそこには、大きな木が一本あった。
そこに倒れ込むかのように座ると、そのまま眠りについた。