35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
駅に着くといつもよりも多い人ごみに嫌な予感がすると、案の定電気系統のトラブルで電車が止まっている。
夜の帰宅時間と重なりタクシー乗り場はもちろん長蛇の列。
仕方ない、少し離れた地下鉄の駅に向かって雨上がりで湿った匂いのする街を歩き始めた。

頭痛はさらに強くなり目の奥が痛み、軽く吐き気がする。
熱があるのは自覚していたけれど、これはまずいかもしれない。早く休まなくては。

商店街に見慣れたドラッグストアの灯りを見つけて、とにかく頭痛薬を手に入れなくてはとふらふらと歩いて行く。
頭痛薬を飲んで近くのホテルにでも泊まった方がいいと気が付いた。

身体が重い。
目の前が暗くなった。


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