35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
「貴くん、それってどうしたの?」
蚊じゃないよね?
まさか、あれ私がつけたんだろうか。いや、私じゃないと困るんだけど。
あれ、夢じゃなかったとか?

私の頭の上からはぁーっとため息が。

「お前以外の誰がこんなことするんだ」

あ、呆れてますよね。
「ごめんなさい。えーっと、夢だと思っててー。それで、そのそれ今日お仕事に差し支えないかな?」

「俺はいいんだけど、お前が恥ずかしい思いをしないように襟付きの長袖を着るさ」
私の鼻をつまんでぎゅっと力を入れた。

「ううっ、いだっ」
「まあ、俺はこんなに愛されてるって周りに見せつけてもいいんだけどな」
ハハッと笑うから慌てる。

「や、待って、待って。ごめんなさい。長袖シャツにして下さい」
ベッドで正座して頭を下げた。もう、ホントになんてことしたんだ、私。

「いいから早く仕事に行く支度しろ。俺もちゃんと見えない服着てくから。謝罪は帰って来てから果菜の身体で払ってもらうから」
私の頬にキスをして貴くんは立ち上がった。

「急がないと遅刻するぞー」

そうだ、支度しなくちゃ。
私も寝室を飛び出した。

たくさんのキスマーク。
彼の仕事の邪魔をするなんて最悪だ。まだまだ自覚と修行が足りないと深いため息が出る。

愛されたいし愛したい。
本当に加減が難しい。



~episode4 姫のため息2~  end

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