未来を見るなら、君と一緒に
「付き合わないで陽がほかの人に取られてから後悔する未来と、付き合ってなにも心配ごとが起こらないかもしれない未来潤さんはどっちを取るの?」


「未来……」



未来なんて、見るものじゃないと思ってた。
未来なんて、想像なんてするだけ無駄だって思ってた。

あたしにだって未来を見ていた頃はあった。
その時は、賢晴と幸せな未来があるものだって信じてた。

でも、賢晴に裏切られた日から。
もう、未来なんて真っ黒にしか見えなかった。



「付き合って、裏切られる未来なんて想像するだけ無駄だから入れてないよ」



どうして、ヤスくんはこんなに言いきれるんだろう。
ヤスくんは光ちゃんとの幸せな未来が約束されてるからだろうか。



「でも、やっぱり怖い……」


「怖いなんて、そんな気持ち陽に消し去ってもらえばいいじゃん」


「陽くんに?」



陽くんはたくさんあたしに暖かい言葉をくれる。
でも、どうしても未来への不安だけはなくならなかった。

それは、あたしが陽くんとの未来を想像できないからなのだろうか。

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