未来を見るなら、君と一緒に
「この前帰ってきたタイミングで俺と潤の絵を書いてもらったんだ」



絵の中のあたしたちは、ウエディングドレスにタキシード姿。

陽くんがあたしをお姫様抱っこしているものだった。



「すごい……あたし、陽くんのお父さんに会ったことないのに」


「写真があれば何でもかけるから。父さん」


「嬉しい……」



いままで絵をなんて、貰ったことがなかった。



「潤、忘れてるだろうけど、今日誕生日だよ?」


「あっ!!!本当だ!」



今日は賢晴と瑠美の結婚式としか頭になくて、すっかり自分の誕生日を忘れていた。



「潤の誕生日に絶対プロポーズしたくてさ。プレゼントは父さんに描いてもらった絵でごめん」



苦笑いをしている陽くん。



「ううん!最高のプレゼントだよ!本当にありがとう」



プロポーズも絵も、本当に最高のプレゼントだった。

だいすきな人からの最高のプレゼント。
これ以上最高のものはないよ。



「未来を一緒にみれるのは陽くんだけだから」


「潤」


「だから、こちらこそあたしと結婚してください」



プロポーズの言葉をもらってからの逆プロポーズに面食らった顔をする、陽くん。



「当たり前だろ」
< 174 / 176 >

この作品をシェア

pagetop