未来を見るなら、君と一緒に
「賢晴?なにかあった?」



付き合いは長い。
流れる空気だけで、その時の気分くらいは感じ取れる。



「お前、俺の患者取ろうとしてるのか?」


「……え?」



身に覚えのない事を言われて、頭には疑問符が並ぶ。



「星野さんを励ましたって話じゃん」


「えーっと……早く退院できるといいなと思っただけで、それ以上なにもないけど……」



賢晴の患者を取ろうとするなんてもってのほかだ。
だって、あたしは賢晴のことを応援している。



「あれは、星野さんに取り入って担当変え狙ってたって言ってたぞ」


「言ってた……?」



誰が、そんなことを言うというのだろう。



「早川さんが」


「あぁ……」



賢晴の言葉になんだか納得してしまった。

早川さんは、あたしたちの1学年上の先輩で、おなじ職場に勤務している。

大学時代からそうだ。
なにかにつけて、あたしと賢晴の仲を壊そうとしてくる。

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