君を愛で満たしたい～御曹司のとろ甘な溺愛～

楽しく昼食に舌鼓を打っていると、私のスマホが鳴りだした。


「ちょっとすみません」


画面には、大学時代の友達の典子(のりこ)の名前が表示されている。

彼女からかかってくるなんて珍しい。なんだろう。
首を傾げながらも電話を取った。


『もしもし、葉月！　久しぶりね』
「うん。本当に久しぶり。どうかした？」


当時から元気いっぱいだった典子は、相変わらずのようだ。
誰かが結婚でもするのかしら？


『あれっ？　哲也くんに聞いてない？　四年のときに仲良かった仲間を集めて、今度同窓会しようって話』
「えっ、知らない」


思いがけず哲也の名前が出て、顔が引きつる。


『ねえ、そろそろ結婚じゃないの？』


畳みかけられ、動揺してしまう。私はスーッと息を吸い込んでから口を開いた。


「哲也とは別れたの。彼も来るなら私は遠慮しようかな」


典子や他の仲間には会いたいけれど、さすがに哲也と顔を合わせるのは気まずい。