愛してるのに愛せない。

しばらく走ると、倉庫が見えてきた。

そこは、かつて竜鬼が使っていた倉庫だった。

「・・・。」

近づくにつれてよく見えてくる。

「え・・・・。」

倉庫の前に来て分かった。

「復活・・・・？」

大きな旗には、復活の文字。

「来い。」

それだけ言ってバイクを停めた咲がさっさと中に行ってしまう。

「ちょ！！！」

慌てて追いかけるも、足の長さの分追いついても小走りになる。
中に入ると、あらゆるところから「お疲れ様です！」「・・・小百合さん？」という声が聞こえる。
もちろん私は小百合ではないので、返事はしなかった。

「・・・・。」

階段を上る咲を見て、私は、階段の手前で足を止める。
暴走族の姫をしていた姉からある程度の話お聞いていた。
二階は、幹部、副総長、総長、それから、幹部の女、副総長の女、総長の女しか入れず、尚且つ、幹部と副総長の女は、総長が認めた女しか入れないと・・・。
私は、偽りの女・・・。
そんな人間が二階にあがっていいわけがない。
足を止めた私を見て、ざわつく一階。