愛してるのに愛せない。
「良助。」

「え・・・?」

「俺の名前。」

そう言った良助くんは私を見ると、ふっと笑った。

「今まで悪かったよ。
俺は、あんたのその覚悟見て決めた。」

「何を?」

「・・・俺は、あんたを竜姫と認めるよ。」

「え・・・?」

驚いて良助くんの顔を見る。
良助くんは、照れくさそうにしながら、私に言った。

「確かに、あんたは小百合さんに似てるけど。
よく見たら似てないしな。
それに小百合さんは、あんたみたいには切れなかったし。」

「・・・・・。」

そう言いながら笑う良助くんにイラッとして、

「それは、どうもありがとう!!」

バシン!と傷のところを叩いた。

「いっ!!!!」

良助くんは、声にならない悲鳴を上げてしばらく動かなかった。

「まぁ・・・これから普通に接するから。」

そう言ってくれた良助くんにお礼を言って、治療道具を片付けた。

本当は泣きたいくらいにうれしかった。
人に認めてもらえることがこんなに嬉しいことだとは尾思わなかった。
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