九月一日〜朝から晩まで~
「この海岸線の波除けに、
いっぱいあったんだけど」
無言で治安を地に叩き落とすそれは、
邪気のない小学生の絵画に取って代わられていた。
どこかの正しい大人にも、
アートではなくて落書きだと判断されてしまったようだ。
「これからどこ行くの?
なにして遊ぶ?」
「この格好だと、
お宝探し一択だろう。
でもその前に、腹減った」
「紗良も。パスタがいい」
「同感…、気が合うねぇ…」
「気が合いたくなさそうに、
言わないでくれる?」
そんなことはない。
知っている店が、
気が進まないひとつしかないからだ。