夏風
ーside 華ー

「んで?何であんなことになってんの」

ー2時間前ー

私がトイレを済ませてちょうど手を洗ってた時。

「ちょっと転校生邪魔なんだけど」
「あ、ごめんなさい」
「あんたさ、ほんと地味だよねー」
「しかも遥斗があんなこと言うなんて、絶対なんかやったでしょ?」
「…何もしてません」
「絶対嘘、嘘つくのってよくないよー」
「罰としてここにずっと居たら?、茜」
「やめて!!」

その瞬間私は押さえつけられて手足を縛られた。そして、あの個室の中に閉じ込められてしまい……

「忘れてなければ後でまた来るわ、じゃーねー」
「まって!出してください!」

結局そのまま彼女達は戻ってこなくて、遥斗君が来なければもっと長い間あそこに閉じ込められてた。


「あいつら前にも同じことやって謹慎食らってた時があった」
「…私、」
「なんとなく言おうとしてる事分かったから言わなくていい」

この人、やっぱり悪い人じゃない

「お前俺の妹に似てる」
「え?」
「妹は中学の時、いじめで自殺した」
「(そうなんだ。)」

私はなんて返事をしたらいいか分からなかった。

「その日、お前みたいに閉じ込められたり私物捨てられたりして限界が来たみたいで俺に相談してきたんだよ。でも俺、「ほっとけそんなの」って言ってあいつの話聞いてやらなかった」
「だから私を助けてくれたんですか?」
「敬語やめろめんどくせーから。まぁそれもあるし、前と同じ匂いがしたから気になって確かめに来ただけ」

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