冷酷な王さまは愛し方を知らない


でも、ふと考える。
もし、あの候補者選びが今あったとしたら。

あの頃の気持ちとは違う気持ちでいられたのだろうか。



クリスさんはアルさまは私を選ぶおつもりだったと言う。
だからというわけではないけれど。

もっと、別の思い出が作れたのではないか。
選ばれなくても。



この想いが、恋だというのなら。
それはとても、今更な想いのように感じた。



もうどうすることもできない。
この想いを伝えることも。
想い続けることだって。




きっともう、手遅れ。




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