冷酷な王さまは愛し方を知らない


「王さまは大変よねー。私たちは三部だけの参加だけど、王さまはずっといなくちゃいけないんでしょ?」

「うん…。大変ね」



今日の舞踏会は三部制になっているらしい。
私たちは三部の夕方からに割り当てられた。
朝、昼、夕の三度も舞踏会を執り行うなんて大変。

本当に、その中から婚約者が選ばれるのだろうか。



「ねぇ、でも私ダンスなんて踊れないけど…」

「大丈夫よ。立食パーティーみたいな、踊りたい人は真ん中で踊って王様にアピールするって感じみたいよ。城に仕える騎士さまたちと踊ったり、貴族の方だったりと踊れるんですって」

「へぇ」

「そう言う機会だってなかなかないものね。隣のアリーなんて必死でダンスレッスンしてたわよ」




今までこのようなこと開催されたことなんてなかった。
王さまや王城に住まう人々貴族の方々との交流の場なんて庶民にはないに等しかったし。
だからこそ、皆が皆浮き足立っているみたい。


王城へ向かう道には同じように着飾った女の人たちが歩いている。
あの人たちは何を目的に向かっているんだろうか。


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