冷酷な王さまは愛し方を知らない


「あんたのせいよ!許さない‼︎あんたなんかあの時死んでたらよかったのよ!」



声を荒げる。
そんな風に、憎悪の感情を自分に向けられるのは初めてで心が抉られる。



「でも、あの時のアルヴィンの姿は傑作だったわ!狼狽えてアンタの名前叫び続けて。ほんと笑えた!」

「え…」

「それだけはアンタを褒めてあげるわ!ここでアンタを殺して、それを見た時のアルヴィンの姿!とっても楽しみだわ」



何がルナさんをそうさせるのか。
王城で見た穏やかな上品に笑うルナさんの姿は消え、憎悪に顔を歪め気品なんてそこにはなくて。



「どうして…。ルナさんだってイリア王国の国民でしょう!?アルさまを裏切るようなこと…」

「先に裏切ったのはあっちよ!お父様から領土を奪って、資金を減らして!前王が消えたからマシになると思っていたのに!」



イライラと苛立ちが伝わる。


< 172 / 413 >

この作品をシェア

pagetop