冷酷な王さまは愛し方を知らない


「キースさんの想いはちゃんと届いています。アルさまは、ちゃんとわかっていらっしゃいますよ」



お金だけではないと。
ちゃんと心ではわかっているはず。

でもきっと、今までの周りの環境がそうさせなかった。
これからは、ちゃんと信じられるようになってほしい。




「そうですか…、アルさまは……」



感慨深そうに何度も何度もつぶやきながら隠すように片手で顔を覆った。
キースさんの想いが温かくて、私は胸が詰まる。

キースさんの想いはちゃんとアルさまに届いてる。
アルさまの想いだって。



信頼関係がちゃんとそこにはある。



誰も信用できないって、キースさんはアルさまの事をそう言ったけれど。
アルさまはちゃんと信じてる。


キースさんの事を。



もっとわかりあってほしい。
認め合ってほしい。



だって、互いに大事に思っている事、傍から見てもわかるんだもの。



二人の信頼関係が、見えるのだから。



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