冷酷な王さまは愛し方を知らない

「では、開けます」


報せを聞いてやってきたキースさんが私の代わりに開封してくれることになった。
キースさんが来るまでに、コハクくんが爆発物ではないことは確認してくれた。
火薬の匂いはしないとそう言っていた。


「え……」


キースさんが慎重に開けた小包。
その中に入っていたもの。


それは。


見覚えのある留め具がついた金色の綺麗な長い髪だった。



「い、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



それが、なにを示すのか。
ガクガクと震える身体。



ああ。
どうして。
どうして、神様。


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