冷酷な王さまは愛し方を知らない

「ですが、いずれお腹が目立ってくればいいわけもできないでしょう。ですから、それまでにここから抜け出す方法を共に考えましょう」

「え・・・、それこそ、どうして」

「私たちは、コールド王国に支えておりますが、ゼルダ王の横暴さにはほとほと困り果てているのです。リズさまはその被害者になったお方。どうにか、助けて差し上げたいのです」


マリアンの言葉はなんと嬉しい言葉だろう。
私は、コールド王国の人だと一纏めにして、冷たい態度をとってきてしまっていたのに。
きっと、それもこんなところに無理矢理つれてこられたからだと許してくれているのだろう。


「ありがとうございます・・・。でも、そのせいであなたたちの立場が悪くなることは避けてほしい。どうか、自分の身を一番に考えて」

「リズさまは、本当にお優しい方ですね。こんなときでさえ、敵国の私たちの身を案じてくださるのですから。私たちの主とは全く違うお方。私も、そういう主にお仕えしたかったです」


マリアンは少し切なそうに笑った。


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