冷酷な王さまは愛し方を知らない

ゼルダ王とは時おり食事を一緒にとるように命じられた。
機嫌を損ねないためにも参加し、マリアンに助けてもらいながら乗りきってきた。
私が機嫌よくしていればゼルダも機嫌よく食事をすませ帰っていく。

私は、気持ちが擦りきれていくのを感じながらお腹の子のためにもとどうにか心を奮い立たせた。
お腹のなかにアルさまとの子がいる。
それがどれ程私に力をくれるか。
絶望だけだった日々に光をくれた。

絶対に守りきるわ。
そして、アル様の元へ帰るの。

ここにいると、イリア王国の情報はなかなか入ってこない。
アルさまが生きているという情報はもちろん入ってきていない。

心配だけど、私が心配していたところで何が変わるわけでもないのだ。
私は私にできることをしないと。
そう自分に言い聞かせる。

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