冷酷な王さまは愛し方を知らない


「アルさま・・・。子どもは・・・子どもは、大丈夫なのですか」

「ああ。心配ない。あまり高熱が続くと危険なようだが、安静にして十分な栄養をとっていれば大丈夫だと言われている」


そう言われ、ホッとする。
よかった。
肉体的にも精神的にも酷使してしまった。
でも、もう無事に王城に戻ってきたのだから大丈夫ね。

早くこの熱も下げて元気にならなくては。
アルさまと私の大切な赤ちゃん。


「たくさん、苦労をかけたな」

「いえ。こうして戻ってこられたのです。大丈夫です」

「リズはとても強くなったな。立派な王妃だったと皆が言っていた」

「そんな・・・、ただ必死だったのです」


皆の支えがあったからやれたのだ。
私一人ではただおろおろしてどうしようもできなかった。
皆がいたからあの決断ができて、強くいられたの。


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