冷酷な王さまは愛し方を知らない


「こんにちは」




ボーッと物思いにふけっているとお客さんが入ってきた。
ハッとして入り口の方へ視線を向けると、見知った姿。



「クリスさん!こんにちは」

「やあ、リズ。元気だった?」

「はい。クリスさんも」



クリスさん。
ガタイのいい長身で、黒髪の短髪。
人のよさそうな笑顔を携えた人。




「クリス!来てくれたの」

「ああ、サーシャ。君とも久しぶりだ」

「本当。いつだって突然なんだから」




クリスさんは、城下には住んでいないようで仕事の都合でなのかこの町に立ち寄った時にフラッとやってきてくれる人。
不確定な事しか言えないのは、謎多き人というかあまり自分の事を話してはくれないのだ。



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