冷酷な王さまは愛し方を知らない


城門の前に出ると、すでに出迎えのために従者の方たちが出てきていた。
その中にはキースさんの姿も。

キースさんは側近ではあるけれど、戦には参戦することはないんだそうだ。
主に公務の時、国政などの手助けをしていると聞いた。
王さまの立派な片腕なのだそう。



「キースさん…」

「リズさま。…王さまが時期戻られます」

「はい」


そう言うキースさんは心なしか嬉しそうだった。
キースさんも、心配だったに違いない。

だって、キースさんはとてもアルさまの事を大切に思っているように見える。




「一番目立つ場所に立ちたいわ」

「そういう所が庶民だって言うのよ」

「はあ?」



賑やかな声が近づいてくる。
ミリアさんたち候補者のみなさんだ。

皆、とても美しく着飾っている。
ミリアさんもさっき私と話をしていた時のドレスとは変わっている。
出迎えのために着替えたのね。



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