想うだけの…
「浅井と言います。よろしくお願いします。じゃあ写真お願いしてもいいですか。」

恭平は女性にカメラを渡しながら、軽く操作を説明した。

「じゃあお撮りしますね。3、2、1、はい!」

何度かシャッターを押したあと、女性は再び恭平の元に駆け寄り、カメラのモニターを見せながら話した。

「何枚かお撮りしたんですけど、確認していただけますか。ちゃんと写ってるかな。」

写真を撮ってもらったとはいえ、女性と至近距離でカメラを覗き込む姿に智子は嫌な気分になった。

「全部綺麗に撮っていただいてます。ありがとうございます。」

恭平がカメラから目を離し、女性に笑顔を向けた。

「よかった。記念写真だと思ったら緊張しちゃって」

女性は笑顔で恭平の顔を見上げた。

可愛らしい笑顔で真っ直ぐに恭平の目を見つめていた。

恭平は一瞬ビクッとして息を呑み、女性からカメラを受け取った。

それを見た智子は何とも言えない気持ちになり、ドクドクと自分の鼓動を全身で感じていた。

自分の夫が目の前で他の女性に“女”を感じている姿に深く嫉妬した。
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