[完] 空に希望を乗せて [長編]

上手くいかない

「茉莉後ろ行ったよ!」
「茉夏!そっちそっち!」
あぁまたミスった。茉莉と組み出してからなんだか上手く行かない。正直言って相性が合わないのだろう。あーあなんで先生は私と茉莉をペアにしたのだろうか。茉莉のことは好きだ。方言の使い方は面白いけど、ここら辺で使わないような言葉をよく使うからたまに意味がわからないこともある。福岡の方とここら辺の言葉はやっぱり少し違ってくるのだろう。

「茉夏!そっち行ったよ!」
「あっ!ごめん」
「大丈夫大丈夫。切り替えていこ!」
茉莉と組んでから、かなり苛立つようになってしまった。茉莉のトロさ。運動神経のなさにいちいち苛つく。三月頃と夏はイラつきの増えてしまう時期なんだ。茉莉が悪い訳では無いとわかってる。なのに…。
「ねぇ茉夏、なんかイラついてる?」
「・・・ん?なんで?」
「なんかイライラきてそうだから…。」
「あ、ごめん、もしや態度に出てた?」
「うん…。ごめんねうちがトロいせいで…。」
「いや、こっちが悪いんよ」
「ううん、うちが悪いのもあるとおもう。」
「昔からよぅ人イラつかせよんや…。わざとやないんやけどねー…」
「・・・ごめん。」
茉莉が何となく人をイラつかせやすい人なんだろうな、と言うことはわかる。でも、なんでイラつくのか、分からない。
「うちもイラつかせんごと気をつけるけダブルス大会はうちと組んでくれる?」
「うん、私ものことは好きやけ大丈夫。」
「ありがとう、頑張るよ」
「私もイラついてごめんな。茉莉のことは大好きやけ!」
「うん…。」
私が悪いとこもやっぱりあるよね。大好きな茉莉を傷つけてしまった…。
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